核融合とITER計画について、フランスからの大前敬祥ITER首席戦略官よりお話をうかがいました。
原発は重い原子核が分裂してエネルギーを発生させ、反応が連続して起こるが、核融合は軽い原子核同士の融合によりエネルギーを発生させ反応は次の反応と関係しない。太陽と同じ原理を地上で行うことで、そのメリットは膨大なエネルギーを発生させ、メルトダウンの可能性ゼロ、温室効果ガスゼロ、高レベルの放射性廃棄物がゼロ、海水からの燃料源なので枯渇することが無いことで、商用化されれば電力が安くなり、食料、水、貧困、教育等の問題の解決につながる。ITER計画は米ロEU中国日本インド韓国の世界35か国で協力して行っており政治を持ち込まないので、ロシアも今も参加している。それぞれの国で部品を作りフランスで組み立てており、85％が完成し、現在中核マシンの組み立てを行っている。1億5千万度までの加熱装置を日本が担当しており、まだ核融合だけでは商売にならないが、核融合研究を応用することで医療や宇宙分野はじめ各種の産業で応用技術が商用化されている、とのことでした。丁寧な対応が今後も必要と思われます。