アベノミクスの検証として、慶応大学の小幡績准教授より話を伺いました。
アベノミクスの哲学はポピュリズムで、ターゲットは株価と支持率、その手段は日銀による大規模金融緩和と減税や大規模金融緩和による需要先食い政策、そしてデフレ脱却という呪文だった。その呪文は2年で解けたが、異次元金融緩和による副作用は今も残っている。アベノミクスによって景気は良くなったがこれから悪くなる。物価は上がって、コストと生活費が高くなり、円は安くなって日本は貧しくなり、政府債務は1000兆円を超えるほど財政拡張したが何も起きなかった。雇用増加もお金がないので高齢者が働き続けるしかなくなった結果。アベノミクスは政治的な手法でしかなく、最初から経済学の主流派は否定していたが、大きな声を上げなかった点で学者の責任は重い。今後はこの状況から抜け出すためにターゲット金利の変動幅を拡大させる日銀の政策に対し、政財界、学界、メディアが辛抱強く支えることしかない、ということでした。